カスカラはコーヒーノキの果実を乾燥させたもの、とは言ってもコーヒーノキってどんな植物なんでしょうか。コーヒーノキについて、ご紹介します。
コーヒーノキ
カスカラやコーヒーの原料となるコーヒーノキはアカネ科コーヒー属の植物。高地で栽培されるアラビカ種、低地で栽培されるロブスタ種などがあります。一般的に、美味しいコーヒーを作るためにはアラビカ種で、ロブスタ種はブレンド用(力強いため)とも言われてますが、最近では美味しいロブスタ種も飲めるようになりました。
コーヒーノキは太陽カンカンの暑い地方で栽培されているイメージがありますが、強い直射日光や暑さは苦手。年間の平均気温が20℃前後、赤道近くの高~い山で主に栽培されています。
コーヒーの発芽
コーヒー生豆は、コーヒーノキの果実から取り出した種を乾燥させたものです。自然界では、生豆はパーチメント(殻)に包まれていて、発芽の時はパーチメントごと立ち上がり、最初の双葉を展開する時に脱ぎ捨てます。コーヒー豆が立っているような姿は本当にかわいらしいですね。
コーヒーの成木
コーヒーの成木に花が咲いている時の様子です。コーヒーノキは放っておけば6~8mほどの高さまで成長します。収穫の効率や果実の品質、そして沖縄の場合は台風対策としても、高さが2m前後になるように剪定をしてあげます。直射日光は苦手ですが、成長したりや開花したり、美味しい果実を作るためには光が必要です。バランスの良い日陰具合にするために、コーヒーに日陰を作るシェードツリーを植えることがあります。
コーヒーの花
沖縄では4~7月、春から夏にかけてコーヒーノキの花が咲きます。開花期間中、大潮(新月・満月)に合わせて、大小の開花の山がやってきます。花が咲く(開いている)のは、1~2日程度。アラビカ種は自家受粉(主に風や重力で受粉)ですが、昆虫たちも喜んで集まり、受粉を手伝っています。開花している日は、農園が甘いジャスミンのような香りで包まれます。
コーヒーの果実
沖縄では12~4月が果実が熟す時期になります。花が咲いてから8~9か月くらいで収穫という事になりますね。主な品種は赤く熟しますが、黄色く熟す品種もあります。完熟になると糖度は20度を超え、フルーツをすべて詰め込んだような豊かな風味が出てきます。果実の見た目がチェリーのようなので、コーヒーの果実はコーヒーチェリーとも呼ばれています。カスカラがコーヒーチェリーティーと呼ばれている理由ですね。
果実がカスカラになるまで
収獲された果実は、精製という工程で種(=コーヒーの原料)とカスカラに分けられます。精製のやり方にはいくつかあるのですが、どのやり方も基本は、流通できるようにしっかりと種を乾燥(水分11~12%以下に)することが目的です。精製のやり方に何種類もある理由は、もともとはその土地の気候に合ったやり方が構築されたためでしたが、現在は、より美味しいコーヒーにするために、各農園が精製のやり方を工夫するようになりました。
写真は出荷前に分別されたカスカラとコーヒー生豆です。カスカラはここで完成。コーヒーはこの後、ロースターたちによって焙煎されてコーヒー豆になります。