カスカラと同じく、コーヒーの果実を原料とする飲み物にギシルコーヒーというものがあります。カスカラがギシルという名前で販売されている場合もあります。カスカラとギシルはどう違うのでしょうか。
果実を分解してみる
コーヒーの果実を分解すると、果皮果肉、パーチメント(種を覆っている殻)、種の3つに分かれます。果肉は薄く、果皮とくっついているので果肉・果皮を1つとして考えます。
カスカラ目線の精製
カスカラ目線で見ると、コーヒーの精製は2つに分けられます。ひとつは果実丸ごとを乾燥するナチュラル。もうひとつは、皮をむいて果皮果肉とパーチメントを分けて乾燥するパルプドナチュラル(ハニー)やウォッシュド。
写真:ナチュラル精製で作られたカスカラ
果実丸ごとを乾燥するナチュラル精製では、乾燥した果実を出荷前に脱穀して果皮果肉・パーチメントと生豆に分けます。この場合、果皮果肉にパーチメントが張り付いているので、ナチュラル精製で作られたカスカラには果皮果肉・パーチメントが含まれています。
写真:パルプドナチュラル・ウォッシュド精製で作られたカスカラ
パルプドナチュラルやウォッシュドで作られたカスカラは、精製工程の最初にパルパー(皮むき機)で果皮果肉とパーチメントに分けられます。そして別々に乾燥されるので、果皮果肉だけがカスカラになります。
※ 写真はアダファーム独自の精製(ハニー改)で、パルパーをかけた後も果皮果肉とパーチメントを一緒に乾燥・脱穀するので、脱穀した時にパーチメントも含まれています。
ギシルとは
ギシルコーヒーはエチオピアの一部地域やイエメンで親しまれている飲み物。カスカラと同じく、乾燥された果実部分(ギシル)をスパイスと一緒に煮出してギシルコーヒーと呼ばれています。エチオピアやイエメンの主な精製はナチュラルのため、ギシルとはパーチメントも含まれているカスカラということになりますね。
結論
ギシルもカスカラもほぼ同じもので、ギシルにはパーチメントが含まれています。カスカラはパーチメントを含まない果皮果肉だけのことが多いです。でもパーチメントが含まれている場合もあります。ギシルは一部の国での呼び方、カスカラは一般的な呼び方、そんな感じでしょうか。
カスカラは生産国や農園、精製方法によって作り方や味が異なります。あまり細かいことを考えず、好みの農園のカスカラを探してみてくださいね。